清掃とアートの不思議で密な関係は、大阪にあった。
トレンドショップなどがひしめく若者の街・南堀江の少しはずれ、住倉興産の運営する道頓堀倉庫の2Fに
ある「SUMISO」は、
ギャラリーやアトリエとして使える空間だった。
ここを運営していたのが有限会社クリーンブラザーズ。
元々はビルの管理を請け負っていた。
管理業務を行っていく中、長引く景気低迷で、ビルの維持・管理経費の見直しを余儀なくされる。
そんな時浮かんだのが、空室をギャラリーとして借り受け、清掃業務も請け負っていくという発想だ。
ここから、清掃とアートの密な関係「Clean Brothers清掃project」は誕生した。
プロジェクトを簡単に説明すると、空間を借りたいアーティストが、クリーンブラザーズの運営する
ギャラリーなどの清掃を月に数日行い、最低6ヶ月続けると、約1週間展示ができるという、
いわゆるポイント制。
一見、倉庫という用途以外には使い方のないように思われる、
アートとは無縁の無骨な倉庫の2階が、
こうした新たな発想で、若いアーティスト達の夢を発信する空間となった。
クリーンブラザーズでは、このプロジェクトを手掛けるようになってから、
アートに関わる別の仕事以来が、横に拡がり始めたという。
新しい業態へのチャレンジを考えているイノベーター達を
大いに勇気づけてくれる実例は、
地域の土地開発を理由に2005年やむなくクローズされたが、
投じられた一石は大きい。 |